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平成26年度大学等地域貢献促進事業【助成研究決定】

和歌山県特産果実に含まれる保健機能成分による脂質代謝改善、糖尿病予防に関する研究

研究代表者 大学名 和歌山県立医科大学・医学部
特別研究員・医師
氏名 竹島 健
専門 糖尿病・内分泌代謝学
研究名 和歌山県特産果実に含まれる保健機能成分による脂質代謝改善、糖尿病予防に関する研究
研究概要 これまで研究代表者は、所属する和歌山県立医科大学糖尿病・内分泌代謝内科および県内外の市中病院において、糖尿病、内分泌代謝性疾患(脂質異常症、下垂体・副腎・甲状腺疾患など)、高血圧症などの患者診療にあたってきた。その中で、食生活の欧米化に伴う肥満の増加とこれを背景としたメタボリック症候群(肥満症、高血圧、脂質代謝異常、糖代謝異常)の増加とこれらの疾患コントロールに難渋するケースを数多く目の当たりにしてきた。しかし、その治療に不可欠な「食生活の改善」という点では、個人の努力に負うところが多く、十分な食事療法をきちんと行うことには困難を要するのが現実である。そこで、本研究では、和歌山県特産果実に含まれる保健機能成分(梅から抽出された梅酢ポリフェノールなど)に着目し、これらがメタボリック症候群の発症に強く関与するとされる肥満症および脂肪細胞から分泌される生理活性物質(アディポ力イン)の異常に与える影響を検討し、メタボリック症候群の食事療法に補助的な効能を和歌山県特産果実由来の保健機能成分から見出したいと考えている。
研究成果活用目標
  • 特許申請:果実由来機能性成分について、新規有効成分である場合には成分特許として出願する。また、用途特許については、主にメタポリック症候群発症予防効果について連携食品企業とともに出願したい。
  • 論文・学会発表:脂肪蓄積抑制作用や糖代謝・脂質代謝改善効果について、論文発表の他、糖尿病学会、内分泌学会など学術学会で発表を予定している。これら論文・学会発表については特許出願を考慮し行う事とする。
  • 食品企業との連携(産官学共同研究):我々の研究シーズに興味を示す食品企業や地域イノベーション戦略事業参画食品・化学企業と連携し、ヒト介入試験や健康食品の商品開発に繋げていきたい。すでに、共同研究者井原は某企業と連携し、共同研究を開始している。
採択額(単位:千円) 1,350

和歌山県産農作物に由来する物質のもつ抗ウイルス活性の探索およびウイルス感染制御への応用に向けた基礎的研究

研究代表者 大学名 和歌山県立医科大学・保健看護学部
講師
氏名 池田 敬子
専門 急性期看護学、感染論(ウィルス学)
研究名 和歌山県産農作物に由来する物質のもつ抗ウイルス活性の探索およびウイルス感染制御への応用に向けた基礎的研究
研究概要 柿、山椒など和歌山県産の農作物あるいはその加工食品から抽出液などの試料を調製し、ウイルス増殖やウイルス不活化に対する作用の有無を調べる。また、顕著な作用を見出した梅酢ポリフェノールについては、その作用機構を解析する一方で、協働的に働く化合物を系統的に探索する。さらに、実際応用を念頭に、手指や生活環境を汚染したウイルスへの消毒法とその効果についても解析する。
研究成果活用目標 梅酢ポリフェノールの抗ウイルス作用については、田辺市・JA紀南によって特許申請ならびに商品化の取り組みが始まっている。また、日本ウイルス学会や国際ウイルス学会をはじめ国内外の学会での発表や欧文論文での発表も予定されている。
さらに、農産物についても食品として直接摂食されるのに近い状態の試料について検討し、抗ウイルス作用を科学的なデータと共に示すことができるので、県産品の付加価値を高め、関係産業に大きく貢献できることが期待される。
採択額(単位:千円) 1,350

和資材ストック量を考慮した災害廃棄物量の予測手法に関する研究

研究代表者 大学名 和歌山工業高等専門学校・環境都市工学科
教授
氏名 巻 峰夫
専門 環境計画、環境影響評価
研究名 資材ストック量を考慮した災害廃棄物量の予測手法に関する研究
研究概要 本研究では. GIS解析を活用して廃棄物ポテンシャル量の予測にもとづく災害程度に応じた災害廃棄物量の発生量予測手法の確立を目標とする。研究では事例研究として新宮市で及び日高川町での被害実績を解析することにより,発生量原単位の検討を行う。検討された原単位にもとづいてハザードマップ等の浸水予測と重ね合わせた発生量予測手法の開発を行う。
研究成果活用目標 1)行政施策への活用
本研究は廃棄物処理行政の高度化に資することを目的に行っており,廃棄物におけるBCP立案の基礎資料として活用されることを目標としている。
2)論文・学会発表
成果は所属する土木学会,日本LCA学会,廃棄物資源循環学会等で発表する。また,研究代表者は土木学会環境システム委員会の幹事をしており,当該委員会のシンポジウムを企画する。
3) 国等の研究費補助金等の獲得
本研究の成果をもとに継続研究について科学研究費補助を申請する。
採択額(単位:千円) 1,200

食事と暮らしから見た山村高齢者の「健康と自立」に関する生活実態調査

研究代表者 大学名 和歌山大学・地域創造支援機構
特任教授
氏名 湯崎 真梨子
専門 食事と暮らしから見た山村高齢者の「健康と自立」に関する生活実態調査
研究名 地域再生論、内発的発展論、食料経済学、農村社会学
研究概要 本研究は,伝統的な食事や日常食の現況と地域の衰退は関連性があるとの仮説から,高齢山村の生活実態調査を行うものである。平成25年度の日本の高齢化率は24.1%で世界ーの超高齢社会に突入した。和歌山県では古座川町の47.5%をはじめ,特に県南部には高齢化率が40%を超える地域が複数ある。本県の高齢化率は全国5位,近畿で1位である。今後は高齢長寿を前提にした,高齢者が健康で自立した生活が維持できるように支援をすることが地域の喫緊の課題となっている。また高齢化は地域の衰退を招くきっかけともなる。つまり「食」は健康と地域維持の両面を表すキーワードといえる。そこで古座川町最奥の平井地区を主対象に「食事」を主な切り口にした生活実態調査を行い,地域の高齢者が健康で生き甲斐をもった生活を維持するための支援のあり方を考察するものである。同時に,地域で伝承されている高価値の食事.調理方法,生活のあり方を発掘,再編集し,元気な地域をとりもどす地域活性化に還元できるよう,行政や産業界への結果の公開を行う。
研究成果活用目標 和歌山県の最高高齢の町に属する山村地区を対象とした住民の生活実態を明らかにすることにより,高齢福祉,高齢者の生きがい対策,高齢長寿対策など行政施策に反映されるよう調査報告を公開する。さらに,伝統食文化や調理法に関する調査は特色ある地域食としてブランド化された商品開発をめざすことができるため,行政及び産業界に公開をする。
同時に,研究者が所属する大学での教育現場で.地域食の伝承に関する実習講義などに活用することで,若者への技術と文化の伝承に努める。こうした産学官の各現場での研究成果の活用により地域活性化につながることをめざす。研究成果は論文誌に発表するとともに,引き続き国や財団系の外部資金の獲得をめざす。
採択額(単位:千円) 500

 

 

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